ドイツ
ドイツはポーランド軍に対し圧倒的な数的優位を維持し、強大な軍事力を準備していた。陸軍はI号戦車やII号戦車といった軽戦車を主力として、より攻撃力のあるIII号戦車やIV号戦車を含めて約2,400両もの戦車を保有し、6個の装甲師団を編制、新しい攻撃理論を構築していた。理論上では戦車部隊の集中運用によって、他の作戦部隊と共に敵の戦線のあちこちに突破口を穿ち、敵部隊を孤立させ、その上で歩兵部隊が孤立した敵部隊を各個撃破することとなっていた。作戦は適宜繰り返され、自動車化されていない歩兵部隊や各歩兵によって補完されることとなっていた。空軍は戦術的・戦略的な空からの軍事力を提供した。とくに急降下爆撃機は敵の補給線や通信線を遮断することになっていた。陸と空からの攻撃をあわせた立体作戦には電撃戦というニックネームがつけられた。しかし歴史家一般の見解では、ポーランド侵攻時におけるドイツ軍の作戦はまだ保守的であって、19世紀にクラウゼヴィッツによって提唱された伝統的な殲滅戦理論に即したものであった。
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航空機は侵攻作戦における主力であった。爆撃機は無差別爆撃により都市と一般市民を攻撃し、一般市民の間に多くの犠牲者を出した。ドイツ空軍は1,180機の戦闘機、290機のJu87シュトゥーカ急降下爆撃機、290機の爆撃機(主にハインケルHe111双発爆撃機)、240機の種々の水上機から編成されていた。当時のドイツは全部で3,000機近い航空機(そのうち2,000機は新鋭機)を保有しており、半数がポーランド戦線に投入された。ドイツ空軍は1939年時点における世界で最もよく訓練され、装備の充実した空軍であった。
1939年当時のドイツ海軍は第一次世界大戦開戦時の1914年8月当時よりも弱体だった。1939年の連合国はドイツよりも多くの大型の軍艦を保有していた。しかし第二次世界大戦中を通じて連合国の艦隊とドイツの艦隊が直接相見えることはなかった。あったのは、ドイツのポケット戦艦や仮装巡洋艦による個別的な通商破壊戦だけだった。1939年当時ポーランドの同盟国はバルト海でドイツ海軍と戦う意思もその用意もなかったので、ドイツ海軍はより小規模なポーランド艦隊に対しては有利であった。